安平町の総合型地域スポーツクラブ「NPO法人アビースポーツクラブ」は25日、町追分公民館で町の文化・スポーツ環境をつくるワークショップを開いた。約30人が参加し、専門家の講演に耳を傾けたほか、6グループに分かれてのディスカッションを通して将来的な地域の文化・スポーツ活動について考えた。
同法人は、中学校の部活動の地域移行の受け皿となるべく、準備を進めている。
グループディスカッションでは「5年後、安平町の子どもたちが文化・スポーツを楽しむために必要なもの・ことは?」をテーマに議論。入り口の部分として選択肢を増やすために学校を開放し、さまざまな種目ができる環境を整備するほか、競技志向者向けに広域で連携してチームをつくるといった案もあった。
指導者については「一人に負担をかけるのではなく、技術指導やメンタル、運営など細分化した方がいい」といった意見や、「今まで先生方がやっていたことで安心につながっていた。ノウハウの共有が必要」との声が上がった。
ワークショップに先立って行われた講演では、道教育委員会「部活動の在り方検討支援アドバイザー」で登別市スポーツ推進委員、日本スポーツクラブコミッション特任理事を兼ねる磯田大治さんが登壇。他自治体の事例から▽うまくなくてもいい▽スポーツでなくてもいい▽男女混合―など「競技性より楽しみたい志向の子どもが多い」と紹介した。今後、地域移行を進めるに当たり、「中学年代の子どもたちのための環境整備だが、中学生だけでは解決できないことを私たち大人が知恵と勇気を振り絞って解決してあげないと」と語った。