マウスを使った実験で、低周波超音波の照射で筋肉が再生するメカニズムを明らかにしたと、広島大などの研究グループが発表した。
現在、低周波超音波は骨折の治療に使われ、血管や筋肉の再生への有効性も報告されているが、詳細な仕組みは明らかでない。研究グループは、太ももの筋肉を損傷させたマウスに、低周波超音波を1日20分間照射する実験を行い、筋肉再生効果とその仕組みについて検討した。
その結果、14日目に筋肉量の回復が認められた。また、マウスの細胞を調べると、筋肉の基となる細胞を筋細胞へと誘導する因子や遺伝子が活性化され、筋肉の修復が促進されていることが分かった。
研究グループは「自宅で安全かつ簡単に行える超音波照射により、筋肉の損傷・断裂の早期回復だけでなく、高齢者の筋肉量を維持し、加齢に伴う筋肉量の低下(サルコペニア)や寝たきりの予防につながる可能性が示された」と述べている。
(メディカルトリビューン=時事)