「ガザ人質解放24日以降―戦闘休止も遅れ 戻れる街はもうない」「北軍事措置を再開―境界線に強力な武力」「ウクライナ―日米欧 露と対立鮮明―侵略1年9か月」―。購読している全国紙1面の、きのうの見出し。左下の1段記事も「安保理緊急会合と首相が露非難」。世界の戦争や戦争準備の話題が紙面を埋めた。新聞は内容の重大さで「今」を表現する。戦争で埋まった紙面に驚いた。
1年9カ月前、テレビに映る、厚手のジャンパーを着て、オイオイ泣きながら一人で避難するウクライナの少年や、何度も転びながら進むお年寄りの姿を見てもらい泣きしていた自分たちはどう変わったのだろう。戦争に慣れてしまってはいないだろうか、ふと考える。テレビにスコップや重機で土をかけられて埋まっていくビニールシートの固まりが何度も映る。しかし、諦めに慣れた心には中の乳児たちの遺体の存在が想像できないこともあるようだ。ウクライナの人たちから「世界の関心が薄らいできている」との指摘があるとか。胸に突き刺さる。
人質は報道されていた人数よりも多く解放されたようだ。解放を喜び踊る人たちの笑顔のテレビ画像に、ほっとする。突然の真冬並みの寒さ。雪解けには、必ず平和な春を迎えられますように。(水)