むかわ町は24日、木材保存に関する薬剤メーカー「コシイプレザービング」(本社大阪市)と包括連携協定を結んだ。同社が持つ木材保存の技術を活用した森づくりなどによる地域の脱炭素化をはじめ、異常気象や災害に強いまちづくり、胆振東部地震からの復興をさらに加速させていく。
同社は木材を長持ちさせる薬剤の製造や販売、研究開発のほか、保存処理木材の製造、国産材を利用した土木構造の設計・開発などを手掛ける。町内でも、苫小牧広域森林組合と連携して穂別地区に苫小牧工場を構え、地域材に薬液を加えることで高品質、高耐用で腐りにくい製品の生産拠点として稼働している。
協定締結式で、同社の神谷直秀社長は「町で今後進める事前復興計画の策定やカーボンニュートラルの実現に向け、一緒に歩んでいきたい」とあいさつ。地域の民有林取得などの山林経営にも目を向け、「町に貢献できるようぜひ取り入れていきたい。木材保存の技術を生かして山林経営の一翼を担えたら」と前向きな姿勢を示した。
竹中喜之町長は「お互いの持つ資源を有効に活用し、待ったなしの脱炭素社会の実現、異常気象に対して防災・減災につなげていきたい」と期待感を表した。