札幌学院大学学術講演会「講演と音楽の夕べ」が18日、しらおい創造空間「蔵」で開かれた。同大人文学部の枡谷隆男教授が「音楽の起源を訪ねて」と題して講演したほか、海洋ごみを用いて制作した楽器で演奏する「ゴミンゾク」が道内初公演し、町民約60人が楽しんだ。
同大は道内各地で毎年同講演会を開いており、今年は大塩英男町長の母校という縁もあって白老町での初開催に至った。事業に協力した町地域おこし協力隊員の山岸奈津子さん(43)も卒業生。
講演で桝谷教授は、動物の鳴き声を模した楽器や狩猟具を紹介したり、自身の歌声を披露したりしながら音楽に備わる躍動感について語った。自身が研究分野とする音楽考古学については「地質の中で見つかる遺物や遺構に描かれた壁画から、音楽の起源や音楽が表現する本当の意味を探る学問」と解説し、魅力を伝えた。また、会場の一角に設けられた楽器コレクションの展示コーナーでは、自ら手に取り演奏して見せた。
男女5人組のアート集団「ゴミンゾク」は、ペットボトルなどのプラスチック容器、流木、漂着ブイなどを使って作った打楽器や弦楽器を手に登場。モンゴルや中南米の民族音楽を奏で、喝采を受けた。
桝谷教授やゴミンゾクのメンバーは19日、山岸さんの案内で町内の海岸などを散策。波が寄せる音や生き物の鳴き声を通じ、白老の魅力に触れた。