白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の中核施設・国立アイヌ民族博物館(佐々木史郎館長)で11、12両日、「アイヌ文化でつながる博物館等ネットワーク(愛称プンカラ)」の研修会が開かれた。アイヌ民族の関連資料を所蔵する全国の博物館や美術館からオンラインを含め64人が参加し、今年度の事業内容を確認した。
プンカラは国内外の美術館や博物館68施設によるネットワーク。2021年に発足し、アイヌ文化の振興に向けて共同研究や資料保存の活動をしている。東胆振では苫小牧市美術博物館、厚真町軽舞遺跡調査整理事務所、白老町内ではしらおいイオル事務所チキサニ、仙台藩白老元陣屋資料館が加入している。
研修会では、アイヌ民族博物館の担当者がプンカラの今年度事業を報告。これまでに会員機関同士の情報共有や交流、相談ができる専用サイトを立ち上げたこと、同館と会員機関の協力で来年3月1~24日に道外で展覧会を開催することを説明した。
また、同館が来年度、科学分析装置を活用した資料の共同研究事業を始めることも確認した。全国各施設の所蔵品には詳細な調査研究が待たれる資料が多数あり、事業が進むことで解明や新たな資料の掘り起こしが期待される。