白老町の北海道栄高校吹奏楽部(中川豪仁部長、25人)が、東京都内で開催された第29回日本管楽合奏コンテスト全国大会(日本音楽教育文化振興会主催、10月28日~11月5日)で、高校A部門の最優秀賞を受賞した。同大会への出場は5回目で、最優秀賞の受賞は初めて。部員たちは大喜びしている。
同コンテストは、小中高校生の吹奏楽の演奏レベル向上を目的に毎年開催されている。A部門(16~35人)、B部門(36人以上)、S部門(3~15人)があり、全国大会の出場可否は録音した演奏を審査する非公開の予選審査会で決まる。
同校は毎年応募を重ね、2018年以降はコロナ禍で大会が中止になった20年を除く毎年、全国大会に出場している。今年も出場権を獲得し、5日に都内で行われた高校A部門の審査に臨んだ。
出場校は同校を含め35校。特別賞(兼最優秀賞)7校、最優秀賞5校が選ばれ、23校が優秀賞になった。
同校吹奏楽部が演奏したのは、東京音楽大学教授で作曲家の西村朗氏による「秘儀4〈行進〉」。重厚さと荒々しい響きが迫力を増していく6分半の曲で、部員たちは平日の放課後や週末、基礎を中心とした練習を各パートや個別に繰り返してきた。
最優秀賞の結果に、中川部長(18)=3年=は「8月の別の全道大会では悔しい思いをしたが、今回は好成績となり、涙を流して喜んだ」と話す。3年生にとっては高校での部活動の集大成となる舞台だけに、感無量の表情。顧問の佐藤鮎実教諭は「技術面はもちろん、練習への集中力や各セクションの風通しの良さ、全体の調和など最強のチームだった」と振り返る。
副部長の太田桜来さん(18)=同=は「最優秀賞の栄誉を北海道に持ち帰ることができて、ほっとしている」と笑みを浮かべ「1、2年生には(コミュニケーションを大事にしてきた)部の良さを引き継いでいってほしい」と述べた。来年の目標をさらに上位のグランプリに定めており、中川部長は「結果を出せるよう、今よりいいチームをつくって」と後輩たちを激励した。