白老町の竹浦小学校(千葉康弘校長)は8日、ヒグマの性格や生態、出合った際の身の守り方などを学ぶ「ヒグマ教室」を同校体育館で開いた。元のぼりべつクマ牧場ヒグマ博物館学芸員で、ヒグマ学習センター(登別市登別温泉町)の前田菜穂子代表(75)が、クマ牧場で得た知恵などを紹介した。
教室は総合的な学習の授業の一環で開き、全校児童と保護者、教員ら計約40人が参加した。10月に行った総合学習に前田代表が参加したことがきっかけで、近年ヒグマの出没事案や事故報道が増えていることから、話を聞く機会を設けた。
前田代表はヒグマについて、走って逃げる個体を追う狩猟本能や獲物に対する執着心が強く、自分で捕らえた獲物周辺に何度も戻って来る習性があることを説明。「ヒグマと出合った際に間違った行動を取ると、命を失うことになる」と警鐘を鳴らした。
最悪の事態に備えて覚えておくべき合言葉として「朝は雪」(あわてない、さわがない、はしらない、ゆっくり後ずさり、きちんと=親や自治体や警察に=報告、の頭文字を取った標語)を伝え、ヒグマと遭遇しても落ち着いて行動するよう呼び掛けた。
また、「人間は首をけがすると一瞬で命を取られる」と、手を首の後ろで組み、地面に腹ばいになることで、ヒグマがかみつきやすい首と腹部を守る方法を紹介。
「本来クマは心優しい生き物だが、付き合い方を間違えると恐ろしい。やみくもに恐れるのではなくヒグマのことを知り、人間が行動に気を付けることが大切」と話していた。