「頂き女子」と称し、恋愛感情を利用して現金をだまし取るマニュアルを販売したなどとして、詐欺と詐欺ほう助の罪に問われた無職渡辺真衣被告(25)の初公判が2日、名古屋地裁(遠藤圭一郎裁判官)であった。この日は詐欺ほう助についてのみ審理され、被告は起訴内容を認めた。次回は12月6日。
検察側は冒頭陳述で、被告はホストクラブへの支払いに困窮し、勤めていた風俗店の客に援助を求めて成功したことから、男性に恋愛感情を抱かせ、困窮を訴えて金銭を詐取するようになったと指摘。方法を詳細に記載したマニュアルを作成し、SNSで販売していたと述べた。
被告が捜査段階で、マニュアルの売り上げは約2000万円に上り、自らも男性から総額約3億円をだまし取ったと供述していたことも明らかにした。
渡辺被告は紺色のトレーナーに黒のズボン姿で、透明フレームの眼鏡を着用。黒髪が肩に掛かり、毛先はわずかに茶色かった。裁判官から起訴内容に間違いがないか問われると「ないです」と淡々と答え、終始落ち着いた様子だった。
起訴状によると、渡辺被告は昨年6月、名古屋市の女(21)=詐欺罪で公判中=に、現金を詐取すると知りながら「頂き女子の参考書」などと題したマニュアルを2万8000円で販売。男性2人から計約1000万円をだまし取る手助けをしたほか、今年4~8月には自らも別の男性から計約3800万円をだまし取ったとされる。
得た金の大半はホストクラブの飲食代などに使っていたとみられる。先月24日には、詐取金と知りながら被告から約4000万円を受け取ったとして、ホストら2人が組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)容疑で愛知県警に逮捕された。