安平町のプロセスグループ夢民舎(宮本正典社長)は、15~18日にポルトガルで開かれたチーズの世界大会ワールドチーズアワード2024に「スモークカマンベールチーズはやきた」(120グラム、950円)を出品し、シルバー賞に選ばれた。スーパーゴールド、ゴールドに次ぐ3番目の賞で、同社が海外コンテストで入賞するのは初めて。宮本社長ら3人が25日、町役場を訪れ、及川秀一郎町長に報告した。
町によると、ワールドチーズアワードは今年で36回目。世界47カ国から4786品、うち日本からは54品が出品され、入賞は21品だったという。宮本社長(83)は「うれしい。副社長が一生懸命やってくれた」と受賞を喜ぶ。
スモークカマンベールチーズは02年に世界初の白かび薫製カマンベールチーズとして販売を開始。東胆振産の生乳からチーズを製造し、サクラのチップで薫製した一品で、滑らかな食感や薫製独特の香りが特徴となっている。
海外では、シンガポールの小売店で商品を販売している。2年前に吉川絵理子副社長(54)が商談会でバイヤーからコンテストへの出品を勧められ、宮本社長のアイデアを広く知ってもらおうとチャレンジした。
商品を海外に輸送するには多額の費用を確保することが課題だったが、同業者と10~11月にクラウドファンディングを実施し、650万円以上の出資を受けて出品が可能となった。
同社は来年のコンテストに、看板商品であるプレーンのカマンベールチーズの出品を計画している。吉川副社長は「これからも努力して、町の名に恥じないチーズを作りたい」と意気込んだ。