白老町内の11カ所を会場に開かれた芸術祭「ルーツ&アーツしらおい2024―白老文化芸術共創」が1日に閉幕し、主催した白老文化観光推進実行委員会事務局は26日までに、会期中の来場者数を昨年の9900人の2倍近い延べ約1万8400人と発表した。期間中に町内で開かれた各種イベントの来場・参加者と共有できたことが主な理由と分析している。
同芸術祭は9月20日から11月1日まで開催し、町内の飲食店や書店11カ所で町内外の作家39組の作品を展示した。しらおい創造空間「蔵」でアイヌ刺しゅうを手ほどきするなど、参加型ワークショップを5種類用意し、20回実施した。このほか、町内の小中学校でドキュメンタリー映像を流すイベントを行った。
来場者の主な内訳は、白老八幡神社例大祭関連が8400人、旧スーパーくまがい(現ラッキーマート白老店)や居酒屋「河庄」に掲示する巨大壁画が計3500人。社台と虎杖浜地区で展開する屋外写真展が計2000人。洞爺湖町を中心に活動しているアーティスト「野生の学舎」による展示が約1000人。例大祭では会場でパンフレットを配布しており、祭りの来場者数から推計した。
事務局では来場者数の増加理由として、白老八幡神社例大祭(9月27~29日)やしらおいチェプ祭(9月25日)などのイベントと来場者を共有できたことを挙げ、現地でのスタッフの声掛けによる民族共生象徴空間(ウポポイ)からの誘導も追い風になったとみている。
今回は白老ゆかりの作家が昨年を11人上回る20人出品し、会場に常駐する町民ボランティアスタッフは昨年の2倍の約20人になった。実行委事務局長の中村諭さん(67)は「町民の手による芸術祭」として地元の関心が高まり、定着してきたと分析。「地域に根付く文化、伝承、人々の営みを新たな視点で見詰め、みんなで白老の魅力を発見、創造し、挑戦する貴重な芸術祭になった」と述べた。
同祭の記録集は今年度中に発行する予定。