大谷、2年連続3度目のMVP 満票、DH専任で初 米大リーグ

  • スポーツ, 野球
  • 2024年11月22日
大谷、2年連続3度目のMVP 満票、DH専任で初 米大リーグ

  【ロサンゼルス時事】米大リーグの今季最優秀選手(MVP)が21日に発表され、ナ・リーグでドジャースの大谷翔平選手(30)が満票で選出された。2年連続3度目で、指名打者(DH)専任の選手の受賞は史上初の快挙。

   全米野球記者協会の記者30人が1~10位を連記する投票で、大谷は全員から1位票を得て420点を獲得した。最終候補3人に残っていたメッツのフランシスコ・リンドー内野手が263点で2位、ダイヤモンドバックスのケーテル・マルテ内野手が3位。投票はプレーオフ前に締め切られ、レギュラーシーズンのみが選考対象となる。

   大谷はア・リーグのエンゼルスに在籍した2021年、23年に満票で選出。3度以上の受賞は史上12人目で、現役ではエンゼルスのマイク・トラウトに並び最多。両リーグでの受賞は1960年代にレッズとオリオールズで選出されたフランク・ロビンソン以来2人目で、異なるリーグでの2年連続は初めてとなった。

   大谷は昨年受けた右肘手術の影響で投手としてプレーせず、DHに専念。54本塁打、130打点でナの2冠に輝き、59盗塁もマークしてメジャー史上初のシーズン「50本塁打、50盗塁」を達成した。

   ア・リーグは58本塁打、144打点で2冠に輝いたヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が、満票で2年ぶり2度目の受賞となった。

 大谷、不利はね返す受賞 DH専任でも高い貢献度

   米大リーグでは長年、DH選手のMVP受賞は難しいと考えられてきた。全米野球記者協会の記者による投票では攻守の総合力で判断する傾向にあり、攻撃面での貢献が多くても、守備に就かないことで評価は高まらず、これまでDH専門の選手の受賞は一度もなかった。

   よく知られているのがレッドソックスのオルティスのケース。2006年は54本塁打、137打点でア・リーグ2冠に輝いたが、MVP投票では3位だった。受賞したのは34本塁打、130打点だったツインズのモーノー。打撃成績で及ばなかったものの、一塁手として出場し続けたことが大きかったと言われている。

   ただ、今季の大谷はその不利をはね返せるだけの大活躍を見せた。本塁打、打点で2冠に輝いただけでなく、59盗塁をマークし、史上初のシーズン「50本塁打、50盗塁」を達成。オルティスは米メディアで「今年の大谷が受賞できなければ、DHをMVPに認めないという何かがあると思う」と語っていた。

   近年のMVP選考で重視される指標「WAR」でも、大谷の存在感は際立っていた。打撃、走塁、守備、投球などでどれだけチームの勝利に貢献したかを示す数字で、投手と打者の比較も可能とされる。データサイト「ファングラフス」の計算によると、大谷はナ・リーグトップの9・1だった。他の候補だったメッツのリンドーは7・8、ダイヤモンドバックスのマルテは6・3。両内野手を上回り、DH専任でも総合的な貢献度が随一だったことがデータで示されていた。

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