伊東良孝地方創生・アイヌ施策担当相(75)が21日、就任後初めて白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を訪れた。慰霊施設や国立アイヌ民族博物館などを視察し、来年7月に開設5周年を迎えるウポポイについて「内閣官房、国土交通省、文化庁が連携し、7月にウポポイの充実強化に関する方針を策定した。関係省庁が一体となって実施し、私としてもしっかり取り組んでいきたい」と語った。
伊東氏はアイヌ民族の遺骨が安置されている慰霊施設で献花し、北海道アイヌ協会の大川勝理事長らと面会した。同博物館では佐々木史郎館長の案内で展示資料を見て回った。
この後の記者会見で、アイヌ政策について「進めていく上で、アイヌの方々との対話を重ねながら取り組んでいくことが非常に重要」とし、「寄り添いながら着実に政策を進めたい」と語った。アイヌ民族への差別にも言及し「担当大臣として、アイヌの方々が民族としての誇りを持って生活でき、その誇りが尊重される社会の実現に向けて力を尽くしたい」と明言した。
来年、大阪で開催予定の万博を担当する立場から「北海道アイヌ協会の皆さま方270人が万博を訪れ、歌や踊りをご披露いただける計画が進んでいる」とし、「北海道にとってもアイヌ協会にとっても一大イベントだ」と期待感を示した。
同日、視察した千歳市の次世代半導体製造ラピダス(東京)の工場建設についても触れ、「予想以上に速いスピードで操業準備が進んでいる印象を受けた」と語った。「5兆円を超える投資が今後なされる可能性がある。政府として先端半導体の事業は重要と認識しており、地方創生の観点からも経済や人材育成など期待される効果が極めて高い」との認識を示した。