北海道栄高校の木村匡宏校長(42)は、学校法人京都育英館が同校を北洋大学に移転する方針を明らかにしたことについて、27日までに苫小牧民報の取材に応じた。「生徒の安心と安全、充実した学びの環境を整える上で、移転は選択肢の一つ。町民の理解を得るのは容易でないが、苦渋の決断であり、断腸の思い」と理解を求めた。
同高校の移転理由には、少子化に伴う生徒数の減少、現校舎の老朽化などを挙げ、「老朽化は待ってくれない」と強調。「北洋大で高校・大学が連携し、(学習環境を)再建したい」と話す。
移転までの準備は、町の協力を得ながら進めたい考えで、体育館や室内練習場、グラウンド、駅前スクールの使途などを「町と話し合っていくことになる」とする。
登別市や室蘭市など遠方から電車を利用して通学する生徒は移転で通学時間が延びるため、「しっかり対応していきたい」と語る。
スポーツ系部活動については「勝つために活動する部と体を動かすことを楽しむ生涯スポーツとして活動する部、いずれもニーズに合わせて維持していく。実績の乏しい部を削る考えはない」と断言した。文化系部活動が移転後も白老の地域イベントに出演することなどについては「これまでの関係性を重視し、お声掛けがあれば要請に応じ、今後もまちを盛り上げていくことに協力させていただきたい」と述べた。
町民に対する説明は「(京都育英館)本部と相談しながら、きちんと説明したい。苫小牧市からも要請があり、丁寧に対応したい」と述べた。