在日リトアニア大使館のオーレリウス・ジーカス特命全権大使(46)は23日、むかわ町の竹中喜之町長を表敬訪問した。在札幌リトアニア名誉領事館の藤井將博名誉領事(50)とともに町役場を訪れ、竹中町長らが6月に同国を訪問した際の報告を受けた。同国のアクメネ地域市と町は交流を続けており、ジーカス特命全権大使は「姉妹都市の協定が結ばれるよう大使館として協力したい」と期待を込めた。
同市はむかわ町と同様、恐竜化石など古生物化石が発掘される地域で、2019年11月に町役場で両自治体の協力に関する協定を締結した。同市のビタリユス・ミトロファノバス市長らが来町したが、コロナ禍で一時的に対面交流ができなかった。
一方、町は21年の東京五輪で同国の選手を受け入れるホストタウンとなり、男子20キロ競歩に出場した選手を町職員らがテレビ観戦で応援したほか、両自治体の子どもたちがオンラインで交流を行うなどして、つながりを保ってきた。
23年10月にはミトロファノバス市長らが再び来町。竹中町長は今年6月6~11日に同国を訪問し、同市を初めて視察した。ミトロファノバス市長と再会したほか、アクメネ地域博物館でアンモナイトやフィトサウルスの歯と顎の化石、蚊が閉じ込められた琥珀(こはく)などを見学した。
竹中町長は「たくさんの方から大変温かいおもてなしを受けた」と感謝し、「これからもむかわ町とアクメネ地域市のつながりの輪をさらに育むよう努めていきたい」と話した。
ジーカス特命全権大使の町への訪問は初めてで、「むかわ町とアクメネ地域市が交流を進める中、来ることができてうれしい」と述べ、「両方の自治体が積極的なので、うまく進むことを期待したい」と笑顔を見せた。両国の自治体では、姉妹都市の締結が5カ所あるが、道内はまだないという。