白老町本町の白老八幡神社(鈴木琢磨宮司)が鳥居近くに火の見やぐらを建てた。27日に始まる例大祭前に完成し、鈴木宮司(72)は「町民の皆さまへのお披露目に間に合い、ほっとしている」と感慨もひとしおだ。
高さ8メートル、奥行き4メートルの鉄骨造り。内部はらせん階段になっており、展望部から中心市街地が一望できる。壁面には懸垂幕を取り付けられる工夫が施され、鈴木宮司は「火の用心などの地域活動に協力したい。近く消防本部にも呼び掛け、見学に来てもらえたら」と話す。内部を町民向けに公開することも考えている。
火の見やぐらは江戸、明治期に火災の早期発見や消防団の招集、町内への警鐘に使われた。5年ほど前、東京都江東区の亀戸天神社の火の見やぐらを見た鈴木宮司が「古き良き時代の風景を残すことも神社の役目」と構想を温めてきた。工費は町民ら奉納者約10人の寄付に支えられ、今年7月に着工していた。
町川沿の会社役員で神社の筆頭責任役員を務める山本浩平さん(64)は「鳥居とともにやぐらが町のシンボルに加わった。心の古里である神社ににぎわいが生まれる」と喜んだ。