厚真町は17日、8月27日の大雨による被害状況をまとめた。公共施設は、厚真川や支流の増水による路肩や河岸の決壊、住宅床下への雨水浸入などの被害があり、復旧費用3520万円を専決処分した。農作物は187ヘクタールで浸水や冠水が確認され、農業施設と合わせた被害金額(17日時点)は約1億1520万円と見込んでいる。
同日の町議会定例会で宮坂尚市朗町長が報告した。
町によると、公共施設では、道路の路肩決壊など25カ所、河川の河岸決壊など21カ所で被害が確認された。町は道路と河川の修繕費用2300万円と河川9カ所の測量設計調査費720万円を専決処分し、復旧作業を進めている。
災害公営住宅では、新町のぞみ団地20戸と本郷きずな団地8戸で浸透ますの隙間から雨水が流入し、配水管を逆流して床下ピットに雨水が浸入した。町は復旧工事費500万円を専決処分し、水抜き作業と浸透ますの交換、逆流防止弁の設置などの対策を実施する。
浸水、冠水による農作物被害の内訳は、水稲146ヘクタール、豆類やてん菜など畑作物31ヘクタール、飼料作物5ヘクタール、露地野菜・施設園芸で5ヘクタール。エゾシカ進入防止策も7350メートルにわたって倒壊した。農業施設では、農地損壊17件、用排水路などの損壊95件、農道の損壊27件、その他5件。
宮坂町長は「生産者の生産意欲が減退しないよう、関係機関と連携し、迅速に農業施設災害復旧事業に取り組んでいく」と述べた。
8月27日の大雨は、午前6時~同7時に41・5ミリ、同6時~同9時に101・5ミリと短時間で記録的な降水量を観測。町はスポーツセンターと厚北地域防災コミュニティセンターならやまに自主避難所を設置し、1人が避難した。住宅では2戸の床下浸水が確認された。