学校法人京都育英館(京都、松尾英孝理事長)は17日、白老町にある北海道栄高校を来年9月にも苫小牧市の北洋大学敷地内に移転する方針について、同高校で保護者説明会を開き、現地に9人、オンラインで50人が出席した。松尾理事長は校舎の老朽化と高大連携を移転の理由に挙げ、出席者からは懸念の声が多く聞かれる一方、理解を示す保護者もいた。
野球部に所属する2年生男子の母親は「兄も野球部員で同じ高校に入学した。この校舎で卒業できないのは残念だが、(校舎の)耐震性を言われると仕方ないと思うところもある」と複雑な表情。
登別市から通学する1年生男子の母親は「入学前に移転の話はなかった。保護者向けの説明会ということだが、生徒にも説明して安心させられるのか」と影響を心配した。吹奏楽部の部活の送迎もしており、「移転となると距離が長くなる。負担増になれば引っ越しも検討しなければならない」と語った。
親子で青森県から移住したアイスホッケー部の1年生女子の母親は「白老は移住の補助や子育て支援が充実している」と語り、苫小牧移転後も白老町に住む意向を示した。一方で「生徒の国公立大学への進学率と教育レベルを上げると聞いた」と教育面の向上に期待も寄せた。
バドミントン部の1年生男子の母親は「仕方ないが入学前に知りたかった」と話し、「もともと自宅から駅までが遠く、列車通学が心配だ」と不安を口にした。