打った瞬間、それと分かる打球だった。ドジャースの大谷が48号2ラン。手応え十分だったのだろう。すぐに走りださず、右翼へ飛んだ打球の行方を見詰めた。
一回は低めの球を見逃して三振。続く三回の打席で、内角低めに食い込んできた変化球をフルスイングし、5試合ぶりの一発とした。見送ればボール球だったかもしれないが、第1打席の反省を生かした一撃のようにも映った。
昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝が行われたマイアミの球場。日本代表「侍ジャパン」の大谷が最後に投手で米国のトラウト(エンゼルス)を空振り三振に仕留め、世界一を決めた場所だ。この日の本塁打でメジャー通算219号とし、秋信守(韓国)を上回ってアジア出身選手最多に。思い出の地で、新たな歴史を刻んだ。
「50―50」の偉業へまた一歩近づいた。本人は記録について「最後に振り返ればいい」と冷静に口にしているが、期待はさらに膨らんでいく。