白老町緑町の陶芸家前田育子さん(56)は、30年ほど前まで地元で歌い踊られていた「どさんこ音頭」の手拭いを再現した。当時、肩に掛けるなどして使われていた手拭いを、現代の雰囲気に合わせて2種類のデザインで各150枚制作。駅北観光商業ゾーン「ポロトミンタラ」とカメラのむらかみで取り扱う。1枚2000円。
手拭いは縦35センチ、横90センチで、目が細かく柔らかい岡生地を使った。○で囲んだ「祭」の文字を中央に置き、左に「しらおい」、右に「どさんこ」の字を入れた。自身の好きな色を使い、緑地に白字と、黒地に桃色の字の2種類を仕上げた。
どさんこ音頭は1969年から93年までの四半世紀、町内の夏祭りなどで町民に踊り継がれてきたが、その後立ち消え、町竹浦の瀧谷栄さん(57)らが昨秋、曲と踊りを復元した。同じ頃、前田さんは偶然、踊る際に肩に掛けていた手拭いを自宅のたんすで発見。瀧谷さんの活動を知っていたことから、手拭いの再現を構想したという。
パッケージは、前田さんの白老中学校時代の同級生で、カメラのむらかみを営む村上英明さん(56)が担当。1970年代にポロトコタン(現ウポポイ)周辺で踊られた際の様子を撮影したモノクロ写真を使った。
手拭いを肩に掛け、踊る人々の熱気が伝わる写真で、前田さんは「今までのストーリーを入れ込むことができた」と完成を喜び、村上さんも「当時の雰囲気を感じながら手に取ってもらいたい」と話している。