被災3町長インタビュー 中 安平町 及川秀一郎町長 地震乗り越え新しいまちへ 4地区の均衡ある発展目指す

  • 特集, 胆振東部地震から6年
  • 2024年9月11日
被災3町長インタビュー 中 安平町 及川秀一郎町長
地震乗り越え新しいまちへ 4地区の均衡ある発展目指す

  ―胆振東部地震から6年。どのように感じているか。

   「安平町としては、胆振東部地震の発生から5年目の昨年で大きな節目を迎えた。6年がたつが、地震を乗り越え、新しいまちづくりができている喜び、感謝の気持ちを持っている。当時、ボランティアなどで全国や道内から応援していただいた方と再会することもある。元気な姿を見せることが恩返しになると思っている」

   ―今年度、早来町民センターの大規模改修を進めている。

   「復興に関する大きな事業としては最後となる。道外の大学生が町スポーツセンターを合宿で利用しており、同じエリアで宿泊利用できるようになれば収益性が高まる。居室にエアコンを設置し、大集会室を体育館とするため、追分公民館との差別化も図れる。浴室も付き、災害時の入浴支援も行える。地震やコロナで困難を経験し、再び災害や疫病が起きても、利便性や利用頻度の向上につながる」

   ―町の現状と課題をどう認識しているか。

   「2006年3月に合併した町で、早来、追分、安平、遠浅の4地区の均衡ある発展が大きなテーマ。その部分を意識しながら復興を進めてきた。同様の機能を持っている施設が複数あり、統廃合の検討が必要。公共交通はJRの利用をいかに増やすか、地道な取り組みが必要。現在、早来地区でハイヤーの利用日が限られているが、新たに運転手を1人増員する。利用料金を助成し、外国人など新たな顧客を獲得することで、利用者が増えていけば良いと考えている」

   ―早来学園が開校して1年。手応えは。

   「地域の方や町外の方を含めたイベントが多く行われ、日常的に人が集まっている。学校は地区のシンボルで、一般の方が入りやすい仕組みができたのが大きかった。一方、追分地区で小学校が老朽化しており、統合を含めた義務教育学校の在り方の検討をスタートした。早来校区と追分校区の生徒児童数に配慮しながら議論を進めたい」

   ―これからのまちづくりの方針は。

   「キーワードは『循環』。再生エネルギーを地域で利用していくことを目指したい。人、物、食料が地域で回るよう、(町内全域で使えるポイントカード)『ポイントあびら』を活用し、買い物以外、運動教室やボランティアにポイントを付与し、経済や人の動きを活発化させたい。町の方針として日本一の公教育を目指しており、先日あびら教育フォーラムを開き、いろいろな意見を頂いた。教育以外の分野も目配りし、限られた財源をやりくりして、民間の力を借りながら町の発展を進めたい」

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