肝硬変の患者は、急激に腎臓の機能が低下する「急性腎障害(AKI)」を発症するリスクが高いが、AKI発症により予後(病状の見通し)が悪化することが分かったと、岐阜大の研究グループが発表した。
研究グループは、肝硬変患者567人(年齢中央値67歳)を対象に、AKIの発症率と予後に及ぼす影響、そのリスク因子について調査した。
分析の結果、追跡期間(中央値4.7年)中に肝硬変患者の152人(26.8%)がAKIを発症した。対象患者におけるAKIの累積発生率は1年で14%、3年で23%、5年で29%だった。また、AKIを発症した患者は、発症しなかった人と比べ、予後が6.25倍有意に悪かった。
さらに、AKI発症に関連する因子として、患者の血中でアミノ酸濃度が変化する「アミノ酸インバランス」などが関係することが示された。
(メディカルトリビューン=時事)