天災は忘れた頃にやってくる―。物理学者寺田寅彦の名言はもう通用しない。忘れる間もないほど頻繁に、地震は起きる。元日の能登半島地震は最大震度7を観測し、8月8日に宮崎県で発生した震度6弱の地震では初めて「巨大地震注意」とする南海トラフ地震臨時情報も発表された。4月17日には愛媛、高知両県でも震度6弱の地震があり、能登半島地震の余震を含め震度5弱以上の地震が今年だけで30回近く起きている。
44人の命が失われた2018年9月6日の胆振東部地震から6年。大規模な山腹崩壊が起きた厚真町吉野地区には今年も献花台が設けられた。厚真、安平、むかわの3町は復興への歩みを着実に進めてきたが、むき出しの山肌は地震が過去のものではないことを教えている。
参加者が一斉に身の安全を守る行動を取る訓練「北海道シェイクアウト」もきょう全道で行われた。どこの自治体もハザードマップや防災ハンドブックを作成し、日ごろの備えを呼び掛けている。改めて防災を考える一日にしたい。自民党総裁選と立憲民主党代表選は候補者の出馬会見が相次ぐ。投票権のない国民は見守るしかないが自分がもし参加できるなら、誰が一番、人の命を守れる政治家なのかを基準に投票するだろう。(吉)