ウトナイ湖はもうすぐ水鳥の秋の渡りシーズンを迎えます。夏の間静かだった湖に、数千羽のガン類やカモ類、ハクチョウ類が訪れ、彼らのにぎやかな声が聞こえるようになります。
昨シーズンはヒシクイが9月7日、マガンが同21日に観察されました。コハクチョウは10月7日、オオハクチョウは同14日に渡りで南下してきたと思われる個体が確認されています。
北から飛んできてウトナイ湖で休憩し、翌日にはさらに南へ旅立っていくというように、この時期は入れ替わりが激しく、毎日見られる鳥が変わっていきます。カモの仲間やカイツブリの仲間など、これまで42種類の水鳥がウトナイ湖を利用していたことが分かっています。これからの季節、多い日には万単位の水鳥が湖を訪れるとのこと。
私は今年の4月にウトナイ湖に来たばかりの新人レンジャーのため、先輩レンジャーから水鳥の見分け方とカウントの指南を受け、同湖での初めての渡りシーズンに臨みたいと思います。まだ静かな様子しか見ていないので、これから来るにぎやかな光景に楽しみ半分、緊張半分でドキドキしております。
ガン類やカモ類、ハクチョウ類は体が大きく観察のしやすい水鳥です。お住まいの近くで「ギャハハン、ギャハハン」という太い声や「カハハン、カハハン」といった甲高い声が聞こえたら、上空を探してみてください。V字に隊列を組んだヒシクイやマガン、ハクチョウの仲間が飛んでいく様子を見つけられるかもしれません。
また、近くに河川や湖沼があれば、そこで休憩する様子も見られるかと思います。姿や大きさだけでなく、逆立ちや求愛ダンスといった行動もゆっくり見ることができるので、バードウオッチングが初めての方にもお勧めです。
ネイチャーセンターや野生鳥獣保護センターではスタッフの解説付きで水鳥を観察するイベントも開催予定なので、興味のある方はお気軽にご参加ください。
(日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・橘由貴レンジャー)