ナチュラルサイエンス(東京)が運営する白老町虎杖浜の庭園施設ナチュの森は、敷地内の「森の工舎」で開いている企画展「ナチュの森で縄文にであう展」の会期を当初の9月30日から10月20日までに延長した。8月31日には、国宝の「中空土偶」について専門家が語る催しを会場内で開き、約30人が熱心に耳を傾けた。
企画展は3月15日に開幕し、6月22日に累計入場者1万人を達成した。7月13日からは函館市教育委員会などの協力で中空土偶のレプリカを展示。9月上旬にも2万人に達する見込みになるほど好評なため、会期を延ばした。
中空土偶に関する催しでは、道文化局縄文世界遺産推進室の特別研究員阿部千春さん、書籍「知られざる縄文ライフ」の著者譽田(こんだ)亜紀子さんが講話。阿部さんは、縄文時代の人々が自然と共生していたと言われることに触れ「針供養をするなど物に命があると考える価値観は、人間の進化に不可欠だったのではないか」と述べた。譽田さんは「縄文時代の人たちには自然に対する恐れや敬意があったと思う。(私たちも自然に)支えられて生きている感覚を大事にしたい」と語った。
同展の関連行事には縄文時代の方法で土偶を作る体験(有料)が7、8両日、野焼き(無料)が21日にある。問い合わせはナチュの森 電話0144(84)1272。