若い頃の家族との死別経験が、中年期以前の老化の進行に関連していたと、米国の研究グループが発表した。
研究グループは、大規模な健康調査に参加している米国人3963人のデータを用い、家族との死別経験と、血液検査などから判定された生物学的年齢との関係を調べた。
参加者は調査開始時の1994~95年に中高生だった。33~43歳になる2018年までに、参加者の約40%が家族との死別を経験していた。解析の結果、死別経験のない人と比べ、1人以上と死別経験がある人は生物学的年齢が高くなる傾向があり、2人以上だとその傾向がさらに強まった。また、思春期に比べ、成人期での経験が生物学的な老化と強く関連していた。
今回の知見から、研究グループは家族との死別が慢性疾患の早期罹患(りかん)や死亡につながる可能性を指摘。「死別経験者に対する社会的支援などについて研究を深めるべきだ」としている。
(メディカルトリビューン=時事)