韓国山林庁の職員ら7人が4泊5日の日程で白老町を訪れ、2日は町内のNPO法人北海道自伐型林業推進協議会(代表理事大西潤二・大西林業代表)が手掛ける林業の現場を視察した。大西さん(45)は「環境保全の理念を大切にした林業が韓国でも普及発展することを願う」と語った。
訪れたのは、山林庁山林安全保健雇用チームのコ・ブンア係長(50)をリーダーとする職員3人と林業の経済動向分析などを担当する国立山林科学院の研究者、青少年の就職や創業支援事業を担当する韓国林業振興院の主任らと通訳の計7人。
一行は、木炭や木酢液の販売店を見学した後、石山のキャンプ場や炭焼き場などを視察。同法人が管理を任されている北吉原の山林を散策しながら自伐型林業のメリットを学んだ。
同法人は里山カレッジを毎年開講し、若者への技術支援も行っている。大西さんは「自伐型は低投資で始められ、山林所有者や林業家が地域から離れずに永続的に収入を得られる利点がある」と説明した。
山林庁は日本の林野庁に相当する組織。韓国では就職難で、山間部で暮らす若者が古里を離れる事態が深刻化しているといい、若者の地域定着を図るため視察に訪れた。高係長は「山間部の若者たちが地元に残って生計を立てられる支援につなげたい。きょう学んだことを参考にする」と語った。