環境省は3日、世界自然遺産の鹿児島県・奄美大島で駆除を進めてきた外来種マングースの根絶を宣言した。2018年4月に1匹を捕獲したのを最後に、6年以上捕獲が確認されていないことなどから、有識者検討会が科学的に評価。同省によると、長期間定着した外来のマングースを根絶した事例としては世界最大規模という。
南アジアを中心に生息する「フイリマングース」は、島内のハブやネズミを駆除する目的で1979年に30匹程度が持ち込まれ、定着した。ピーク時の00年ごろには約1万匹にまで増加したと推定される。
ただ、ハブを駆除する効果はほとんど確認されず、代わりに島固有の在来種であるアマミノクロウサギなどを捕食していることが判明。環境省は、00年から奄美大島での本格的な駆除事業に着手し、これまでの捕獲数は約3万2000匹に上る。
今後は島内に設置したわなを撤去するが、カメラによるモニタリングは継続し外部からの新たな侵入を防ぐ。マングースの定着が確認されている沖縄本島北部に捕獲専門チームの人材を派遣するなど、これまでの知見を生かして国内の外来種防除を進める方針だ。