Feliz接戦制しV 大鷲旗苫小牧朝野球・決勝

  • スポーツ, 野球
  • 2024年9月3日
決勝〔Feliz―Equess89〕1点差で勝利し、大喜びするFelizナイン=3日、とましんスタジアム
決勝〔Feliz―Equess89〕1点差で勝利し、大喜びするFelizナイン=3日、とましんスタジアム
6回投げて1安打4四球失点1のFeliz桑田
6回投げて1安打4四球失点1のFeliz桑田
初出場で準優勝と健闘したEquess89
初出場で準優勝と健闘したEquess89

  第62回大鷲旗争奪苫小牧朝野球大会最終日は3日、とましんスタジアムで決勝が行われ、先行したFelizが2―1でEquess89の反撃をかわして2年ぶり2度目の栄冠を飾った。個人賞の最優秀選手賞は勝利投手の桑田大輔が受賞した。

   このほか、殊勲賞に笠井聖寿(Feliz)、敢闘賞に菊地翔太(Equess89)、打撃賞に新田貫二(Feliz)が選ばれた。

   ▽決勝

  Feliz

  100100-2

  000001-1

  Equess89

  (六回時間切れ)

  (F)桑田―林

  (E)菊地―酒井

  🉁笠井(F)

  🉂笠井(F)

  ▽球審 畑垣

  ▽塁審 玉田、伊藤、松原

   Felizが接戦を制した。一回に二塁打の笠井が三盗し、捕逸で先制。四回は1死二塁で新田が中前打して追加点。守っては3併殺の堅実さを見せた。

   Equess89は序盤からFeliz桑田に抑えこまれていたが、六回1死からの4者連続の四球で1点返上も後続が併殺。好投の菊地を援護できなかった。

  ー攻守に気迫たぎらせ 最優秀選手 桑田大輔が”熱投” 

 

  互いに好投手がいて接戦の予感が漂った決勝で先手に出たのはFelizだった。

   一回、先頭打者で左翼線へ二塁打し、三盗した中堅手兼任の笠井聖寿監督(30)が捕逸にすかさず生還。喜びの雄叫びにベンチのメンバーが呼応した。笠井監督は「おのおのが『仕事』、できることをやる心掛けでした」と振り返った。四回も安打と犠打、適時打を絡めて各人の「仕事」が生きた貴重な1点が結果として決勝点になった。

   守っては桑田大輔(25)が準々決勝以来の大鷲旗先発登板で燃えていた。Equess89の菊地翔太と立ち上がりから140キロ台半ばの速球を競うように投げ合って気迫を伝えた。桑田には「Equessには兄(皓太)がいるから特別」との思いも多々。ピンチもあったが野手が手堅くさばいて切り抜けて最優秀選手賞を獲得し、「バックが助けてくれた。『打たせろ』と声を掛けてくれていたから安心して投げられた」と感謝を忘れなかった。

   2年ぶり王座に返り咲き、笠井監督は「2年前のときよりチームの野球に深みができた」と実感を語った。「本当に価値ある優勝。中途半端な気持ちで朝野球をやるのではなく、本気でやるから楽しいんです」。これからも数多い苫小牧や市外の好敵手たちと競い合ってチームを強くし、仲間と共に朝野球の愉楽を極める考えだ。

  -今季始動の新チームが快進撃

 

   最終回の攻撃、初出場初優勝を狙ったEquess89は押し出し四球で1点を返し、なお1死満塁で一打逆転サヨナラの場面をつくるまで追い詰めた。最後はこの試合三つ目の併殺で頂点にはほんのわずかに届かなかったが、ナインの表情はどこか晴れやかだった。中川翔太監督(34)は「ここまで戦ってこられたことをうれしく思うし、頑張ったメンバーをたたえたい」と目を細めた。

   旧タイヤ屋クラブのメンバーに、勢いのある若手を加えて今季本格的に始動したチームだが、準々決勝で前回覇者の北日本産商を撃破。準決勝でも強豪下川原アルミ工業に快勝するなど今大会の盛り上げに一役買った。

   快進撃を支えた主戦の菊地翔太(28)は「僕だけの力ではなく、みんなで力を合わせて優勝を目指すことを変えずにやってこられた」と胸を張る。決勝でもこの日最速となる145キロの直球を主体に完投し、「準決勝と同様に一戦必勝で、一球一球気持ちを込めて投げた。初回に点数を取られたが、いつも通り投げられた」と充実感をにじませた。

   朝野球シーズンもいよいよ終盤に突入し、チームは苫小牧ナンバーワンを決める苫小牧商工会議所会頭杯の出場権を目指す戦いが続いている。菊地は「目指すところは優勝のみ」と前を向いた。

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