体は男性だが性自認が女性の人(トランスジェンダー女性)が女性ホルモン治療を受けていると、前立腺がん検診で前立腺特異抗原(PSA)の数値が低く出やすいため、前立腺がんの発見や治療が遅れる可能性があると、米国の研究グループが発表した。
研究グループは、2000年1月~23年8月の米退役軍人保健局のデータを用い、トランスジェンダー女性のPSA値を調べた。
対象は、女性ホルモン(エストロゲン)治療を受けているトランスジェンダー女性で、前立腺がんの診断歴がなく40~80歳の間にPSA検査を受けたことがある210人(平均年齢60歳)。PSA検査を受けた時点でのエストロゲン投与期間(中央値)は4.7年だった。
その結果、PSAの中央値は0.02ng/mLで、同年齢層の男性(中央値は1ng/mL)と比べて低く、PSAが検出されなかった人は36%いた。
(メディカルトリビューン=時事)