むかわ町の竹中喜之町長は30日、四季の館で開かれた町復興応援フェスタで、基調報告を行った。「地域からの復興:未来へつなぐまちづくり」と題し、胆振東部地震直後の対応、復興を目指す町の現状、課題について語った。
胆振東部地震発生後、町内の建物被害は3600棟を超え、ライフラインに大きな影響が及んだことを説明。「各自治会や消防団の安否確認、建設協会の応急作業、そして地域が一丸となって対応していた。災害対策本部では、被害状況や避難情報の収集、被災対応の指示に追われていた」と振り返った。
避難所開設後は、最も多い時で1000人以上の町民が避難し、災害ごみは公園や公共施設の駐車場を開放して受け入れたことを紹介。全国から多くの支援者が町を訪れて復旧に貢献したことに触れ「被災者の住まいの確保、生活の再建を最優先にして復旧を進めてきた」と述べた。
町は現在、地震の教訓を生かし、消防署の建物を移転、中学校では防災学習の取り組みを進めており、テレビ局と開発したデータ放送の運用も始めたこと、さらに穂別地区と鵡川地区で復興拠点施設等整備事業を進めていることを伝えた。
また、2022年に道が公表した日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の被害想定で同町が大きな被害を受けるとされており、「次に災害が来た時、被災後に目指す復興のまちづくりを想定した道内初の事前復興計画の策定を予定している」と話した。