名古屋外国語大学(愛知県日進市)の世界共生学科の2、3年生9人が25日から9月4日までの11日間、白老町に滞在し、文化観光をテーマに聞き取り調査や意見交換をしている。26日には町役場の大塩英男町長を表敬訪問し、町長にインタビューも行った。9月3日には町中央公民館で町民向けの報告会を開催する予定だ。
現地研修は同学科が多文化共生の実情と課題を現場で考察するため、2019年から実施。23年11月にはアイヌ文化の復興発信拠点「民族共生象徴空間」(ウポポイ)がある町や「地域学」を進めてきた白老東高とも連携協定を結び、地域の歴史や文化について深く学ぶためのプログラムを進めている。
26日、引率の地田徹朗准教授(46)と共に町役場を訪れた学生9人はそれぞれ自己紹介し、2年の稲葉美空さん(20)は「まちの歴史と自然に興味がある。本州の文化との共通点や違いを見つけ、観光の背景を学びたい」と述べ、中村華さん(19)は「調査を通して、まちを駆け巡る命脈のようなものに触れられたら」と意気込みを語った。
学生らは期間中、各自で調査を進める傍ら、仙台藩白老元陣屋資料館の見学や白老東高生と竹浦、虎杖浜地区の街歩きをしたり、アイヌ語教室の大須賀るえ子さん(83)に学んだりする。調理体験や倶多楽湖でのカヤック体験なども楽しむ。
大塩町長は「見て聞いて触れて学んで、よく食べて、充実した11日間を過ごして」とエールを送った。