日本ハムの清宮は、制球に苦しんだロッテの佐々木の高めに浮いた直球を見逃さなかった。3―3の五回、浅間がセーフティーバントで出塁して無死一塁の場面。巧みなバットコントロールではじき返した打球は左翼への二塁打となり、浅間が一気に生還。「浅間さんの執念バントで気合が入った。チャンスは少ないし、打てる球をしっかり打とうと思った」。4番が貴重な勝ち越し打を放った。
1点を追う二回に反撃の口火となる二塁打。三回には、前打者の浅間に対して佐々木が費やした6球の攻めをじっくりと観察して「たくさんボールを見られたので、打つことができた」。鋭いフォークを捉えて右前へ同点打を運んだ。
右に左に自在の打撃で3試合連続で安打と打点をマーク。7月中旬まで打率1割台に低迷していたが、タイミングを早く取ることを意識してから、確実性のある打撃に変わった。
8月になって4番に定着し、勝負強さもアップ。3連勝に貢献して「いつもいいところに回してくれる選手に感謝している。そこでしっかり打つのが4番」と自信を深めている清宮に対し、新庄監督は「4番にしたのは僕だから」と目を細めた。