ずっと以前に、知らない2人組の男が私の目の前で愛車に乗って行こうとしている場面に遭遇した。「まさか盗難⁉」。目を疑った。動きだしている。発車しかけている車の助手席に乗り込もうとしている男に向けて、精いっぱい放った私の言葉はこれだった。「どうしたの?」だけ。情けない。片足で地面を蹴り上げ、反動を付けて乗り込んだ男の足が、車の中へ入ったと同時にバンとドアが閉まり、私の車は目の前から姿を消した。
それから数年後、今度はテレビのびっくり映像のようにコミュニティーサロン「ハマ遊の友」に車が激突した。壁も窓もこなごなになり、中のミシン、テーブルなどがめちゃくちゃになった。早朝で開ける前だったので、人身事故にならなかったのが幸いだった。
この二つの事件後、車道事情や人間を通しての車の在り方や交通ルールが気になるようになった。人の老いていくスピードと交通法の見直し時期のタイミングが、合っていないことに気付いた。交通マナーの低さ。つえをついて歩く老人の増加。歩く速度や能力の衰えは、交通安全の弊害となってきている。
足、腰が悪くなっているから、中央分離帯のあるような大きな通りを、途中で休みながら横断歩道を渡らず、近い場所からゆっくりと渡る。マナー違反と自覚しつつ、横断歩道の所まで歩くことすら辛くなってきているからだろうが、非常に危険だ。
老人層の断層の世代が天国へ召されるのが早いのか、信号機や横断歩道の位置が改善されるのが早いのか。自動車の安全装置改良や進化はこの人たちには無関係ではないのだけれど。
(みらいづくりハマ遊の友代表・苫小牧)