脳梗塞といった塞栓症を引き起こす心房細動(不整脈の一種)がある高齢患者の多くが、亡くなるまでの1年間に中等度以上のフレイル(加齢に伴う心身の衰え)になっていたと、東京大などの研究グループが発表した。
研究グループは、静岡県の診療データベースから、2012年4月~18年9月に塞栓症予防の治療を開始した65歳以上の心房細動患者6247人(平均年齢79.7歳、女性45.0%、フレイル有する人90%超)のデータを抽出。フレイルの経過と死亡などとの関連を検討した。
3年間追跡調査した結果、フレイルのない患者の約半数が軽度以上のフレイルに移行した。一方、重度フレイルから改善した患者はわずかだった。
1584人が死亡し、74.8%が死亡までの1年間に中等度以上のフレイルになっていた。フレイルが重症であるほど死亡率は高かったが、塞栓症などによる死亡は5.4%にとどまった。研究グループは、フレイルを早期発見する重要性を訴えている。
(メディカルトリビューン=時事)