2023年の日本人の平均寿命が先日厚生労働省から発表された。男性81・09歳、女性87・14歳。新型コロナ禍の死亡率がやや減ったため3年ぶりに男性0・04歳、女性0・05歳の伸びとなった。
27日付本紙によると平均寿命は戦後間もない1947年に男性50・06歳、女性53・96歳と算出されて以来順調に延び続け、21~22年が初めての低下だった。
平均寿命に関する報道を中高生の頃から読んでいた気がする。「その年に生まれたゼロ歳児が、あと何年生きられるかの余命」とのただし書きがあり、自分があと何年生きられるかを示すものではないと分かってからでも、見出しを見つけた時には記事を読んでいた。身近に余命の心配な高齢者がいたのか。命根性がいやしかっただけなのか。最近は間違いなく後者だ。自分の年齢と、発表される寿命の接近が、いよいよ気になるのだ。
調査では、23年生まれの人が将来、どの死因で亡くなるかについても分析している。最多は男女ともに「がん」。男性の25・93%、女性の19・09%ががんで死亡するとして、がんによる死亡がゼロになれば平均寿命は男性が3・16歳、女性は2・69歳延びる―と推定している。
「もしも戦争が無くなれば人類の寿命は―」という推定は、なかった。(水)