今年度末に廃部する白老中学校吹奏楽部は28日、最後の定期演奏会を白老町中央公民館で開いた。3部構成で1、2部は現役部員6人が校歌やクラシック、ポップスなどを披露。3部は廃部を知って駆け付けた10~50代のOB、OGらが演奏に加わり、アンコールを含め計13曲を届けた。町民ら約300人は熱のこもった演奏に聞き入った。
廃部は少子化や部活動の地域移行を踏まえた措置。OB、OGの定演参加は、同校吹奏楽部出身で東京の映像制作会社に勤める中谷公祐さん(32)が呼び掛け人となって企画された。
演奏後のあいさつで3年の前田百穂(ももほ)さん(14)は「廃部を知った時は悔しさもあったが、きょうはたくさんの人と演奏でき、思い出深い日になった」と語った。顧問の佐々木香月教諭(55)は「部は幕を下ろしても、音楽に親しみ、愛する心は今後も途切れることはない」と部員たちにエールを送った。
熱演に聞き入った町緑丘の近藤純子さん(78)は「迫力の演奏に感動で胸がいっぱい」と話していた。