脂肪肝が進行して肝臓がんを発症しやすい人を判別する指標を発見したと、大阪大大学院などの研究グループが発表した。
脂肪肝が進み肝硬変になると肝臓がんの発症リスクが高まるが、肝硬変に至る前に発症する場合もある。
研究グループは、生活習慣病から脂肪肝に至った患者518人(年齢中央値61歳、女性59%)の血液検査データを分析。その後の肝臓がん発症に関係する特徴を調べた。
その結果、肝臓の硬さにかかわらず、酸化ストレスや炎症を反映するタンパク質「GDF15」の血中濃度が高い人で肝臓がん発症率が高かった。一方、肝硬変リスクを推定する「FIB-4 Index」で中等度以上の人でも、GDF15が低値であれば発症率が低かった。
研究グループは「GDF15とFIB-4 Indexを組み合わせることで、早期に治療すべき患者の判別につながる」と期待している。
(メディカルトリビューン=時事)