防衛省は10日、安全保障に関する「特定秘密」の不適切管理や、海上自衛隊の潜水士による手当の不正受給があったとして、12日に調査結果を公表し、関係者を処分する方針を固めた。対象は多数に上る見通し。相次ぐ不祥事に批判が強まるのは必至だ。
特定秘密を巡っては、海自の護衛艦で無資格の隊員が秘密情報を扱う戦闘指揮所に勤務するなど、ずさんな管理が判明。航空自衛隊や統合幕僚監部でも特定秘密の不適切な管理があったとされる。
海自ではまた、潜水士が任務や訓練の際に支給される手当を架空請求。総額で数千万円規模を不正に受け取った可能性がある。海自トップの酒井良海上幕僚長は引責辞任の意向を周囲に示している。
政策立案などを担う「背広組」と呼ばれる内部部局でも、審議官級を含む幹部職員によるパワハラが多数確認された。
防衛省は10日の自民党会合で、これらの問題について事実関係を認め、「詳細は現在調査中で、まとまり次第改めて報告する」と説明。出席した松本尚防衛政務官は「心配と迷惑をかけている」と陳謝した。
一方、海自の潜水艦乗組員に対する川崎重工業の接待疑惑に関し、防衛省は10日の参院外交防衛委員会理事懇談会で、特別防衛監察の実施など対応状況を説明。野党側は閉会中審査の開催を求めた。