厚真町は8日、町京町のトレジャートレーディング合同会社と「災害時における施設利用等に関する協定」を締結した。特定の施設を対象にした協定の締結は初めて。町総合福祉センターで締結式が行われ、宮坂尚市朗町長と同社の佐藤稔代表社員(45)が協定書に署名した。
協定は、町内で災害などが発生、または発生する恐れがある場合、同社が管理する町豊沢のキャンプサイト、RVパーク(4584平方メートル)を活用し、被災した住民の一時避難場所とする内容。また、災害復旧期において、応援・協力団体、災害ボランティア参加者の活動拠点となり、キャンピングトレーラーの貸し出しも行う。
佐藤代表社員は2018年9月の胆振東部地震で被災し、避難者の気持ちに余裕がなく、避難所でプライバシーが十分に確保されないケースを経験した。「当時、キャンピングカーが1台でもあればと考えていた」と町に改善策を相談。「施設を使用していただき、少しでも貢献したい」と協定締結に至った。
宮坂町長は「協定により機動的な対応が可能になる。厚真町の備えを万全にし、地域住民の安心につなげたい」と話した。