コープさっぽろ(札幌市)は7日、厚真町宇隆のハスカップファーム山口農園でイベント「畑でレストラン」を開いた。札幌市や小樽市などから46人が参加してハスカップ狩りを体験したほか、札幌市の有名フレンチレストラン料理長を経験し「CHEF―1(シェフワン)グランプリ」初代王者に輝いた下国伸シェフ(37)=同市在住=によるハスカップのコース料理を堪能した。
イベントは、道内各地で「コープさっぽろ農業賞」を受賞した生産者の畑に1日限りのレストランを開き、道内で活躍する有名シェフが調理した料理を提供する取り組みで2010年から始まった。同農園は18年に同賞を受賞し、19年から開催している。
参加者は4・3ヘクタールあるハスカップ畑の一部を歩き、山口善紀代表(53)からハスカップの歴史や農園の取り組みなどの説明を受けながら、「あつまみらい」と「ゆうしげ」のハスカップ狩りを実施。午後4時30分から同農園の倉庫で、下国シェフが考案した「ふるふるししゃもフライとハスカップタルタル」や「初夏鹿のローストとハスカップクラリフェとハスカップジン」など、ハスカップをふんだんに使用した約2時間のコース料理を味わった。
札幌市から来た会社員、山田聡美さん(57)は「どの料理もおいしかった。パンとハスカップバターを使用した料理が印象に残った」とし「生ハスカップは食べたことがなく、食べると皮が残らずジューシーだった」と笑顔を見せた。
下国シェフは10年以上前から同農園のハスカップを料理に使用しており、「個性が強く、料理人を喜ばせる食材。今回、ハスカップづくしのコースにしようと考えていた」という。東胆振地域はホッキ貝やシシャモなど海の幸や畑で収穫される作物が豊富にあると評価し、「ハスカップは今後も使っていきたい」と話した。
山口代表は「消費者の喜ぶ顔が見られて生産者冥利(みょうり)に尽きる」と総括し、「下国シェフには、われわれの想像や期待を超える料理を作っていただいた」とたたえた。