サンダルや素足の季節になると、気になるのが足のトラブルだ。適切なフットケアの方法や足のトラブル予防法を、ひかり在宅クリニック(横浜市)皮膚科の今井亜希子医師に聞いた。
▽足を洗って水虫予防
汗をかきやすい時期に増える汗疱(かんぽう)は、手足の指や手のひら、足の裏などに水疱(すいほう)や皮むけが生じる皮膚トラブルで、子どもから大人まで幅広い世代に見られる。「水虫と間違いやすいため、自己判断せず専門医の診断と治療を受けましょう」
プールなどの公共施設ではだしになる機会が増す時期は、水虫にも要注意。水虫はカビの一種である白癬(はくせん)菌で起きる感染症。足の指と指の間の皮がむける、水膨れができる、足の裏の皮膚が厚くなり、ひび割れを起こすなどの症状がある。
「白癬菌に触れただけで水虫になるわけではありませんので、はだしで歩く場所に行った時は、帰宅後すぐに足を洗えば感染を予防できます」
しっかり足を洗っても改善しない場合は、白癬菌が角質層の中に入り込んでいる可能性がある。
かゆみなどの症状がなくても根気よく薬の使用を続けることが大切だ。「家族に水虫の人がいる場合は受診を促し、家族内感染を防ぎましょう」
▽保湿忘れずに
爪の変形や痛みに悩む人も多い。爪の端が内側に巻き込んだ形に変形する巻き爪は、皮膚に食い込んで痛みや炎症を起こす陥入爪(かんにゅうそう)の原因にもなる。
「爪の周りに痛みがあると、足をかばって歩くため、歩行バランスが崩れます。特に高齢者は、爪の状態が悪いと転倒や歩行距離の減少、関節痛や腰痛にもつながります」
巻き爪を招く深爪を避けるには、爪を「四角」に切るとよい。刃先が直線型の爪切りが切りやすい。また、爪に入った縦線は加齢に伴う自然現象だが、横線は爪の成長が阻害される時に入る線。「横線は、合わない靴による圧迫が主な原因です。指先にゆとりのある靴を選び、サンダルを履く際は、滑らないようにストラップで固定できるタイプを選びましょう」
保湿も重要だ。エアコンが利いた部屋で素足のまま長時間過ごしていると、足は想像以上に乾燥する。「足や爪を丁寧に洗って保湿する習慣をつけましょう」と今井医師は助言する。
(メディカルトリビューン=時事)
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