いつもの自分と違う

  • 土曜の窓, 特集
  • 2024年5月11日
いつもの自分と違う

 3月の旭川は雪がところどころに残っていて春の装いをしてきたことを少し後悔したが、風がやむとつらさは軽減した。雪で滑らぬよう足をいつもの1・5倍上げながら「よいしょよいしょ」と歩くことで、5分たたぬうちに体は温まってきた。汗ばんできて半袖になってもいいほどだけれど、首から上はひんやりし、のぼせることのない低温サウナにいるようで、なんとも気持ちがよい。おおお、最高だ!

 旭川のホテルから駅まで真っすぐの広々とした道が続いていた。「歩行者天国を歩いていくといいですよ」と立ち寄ったラーメン屋さんに教えてもらった。平日の人もまばらな午後4時に歩行者天国になっているのだから、きっと常にここは歩行者天国なのだろう。

 東京では日曜日、とかイベントの時だけ歩行者天国になることが多いから、歩行者天国と言ったって、ごった返している。天国じゃなくて専用くらいの言い方がいいんじゃないか? と思うのだが、旭川の歩行者天国は、うん、歩行者天国だ。翌日は講演会がある。今夜はゆっくりと旭川を楽しもう。

 旭川駅に到着。今夜は札幌の友人と10年ぶりの再会。2011年に新しくなったという駅の中を2周回り、お土産ものを見たり、手入れの行き届いたお手洗いに寄ったりしながら、一面ガラス張りになっていて景色が一望できるベンチに腰掛けた。これは大雪山連峰だろうか。山々は雪をかぶっていた。

 彼女の到着は午後5時。まだまだ時間はある。常に遅刻寸前にあたふたと動くわたしにしては珍しく、北海道の大きさが、いつもの自分とは違う行動と余裕をくれたような気がしてうれしかった。

 ガラスの向こうの山々を見ながら、待ち人を思った。彼女と初めて会ったのは17年前のオランダ。新婚旅行で行った先で、旦那さんの友人であるオランダ在住の日本人夫妻に会った。ご夫妻は10年前にオランダを離れ、札幌に越してきた。その後ご主人は亡くなられたが、奥さんはそのまま札幌に住んでいる。地元ではないが札幌を離れる気はないという。そんなやりとりをラインで数回しながら、北海道に行ったら会おうねと約束していた。それが、きょうだ。

 ちなみにわたしは離婚しているが、前の旦那さんの友人はわたしの友人でもある、というわけで、今も仲良くしていただいている。縁を頂いてありがとうと前の旦那さんに感謝を伝えたい。おお、どうやら北海道の大きさが、わたしの心も普段より爆裂に大きくしてくれたらしい。ありがとう北海道。

 間もなく、待ち人、来たる。(続く)

 (タレント)

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