白老町陣屋町の仙台藩白老元陣屋資料館は5日、よろいかぶとの試着や手焼きせんべい作りができる、こどもの日のイベントを実施した。また白老東高校の生徒2人と白老小学校の児童1人が館内ガイドとしてデビュー。町内外から来館した216人は、さまざまな体験を楽しみ、高校生、小学生ガイドの解説に熱心に聞き入った。
よろいかぶとの試着は館内で行い、子どもたちが足軽や伊達政宗さながらの具足を身に着けてポーズ。保護者がスマートフォンで記念撮影をしていた。屋外では、同資料館友の会の会員が、昔ながらのせんべいの焼き方や綿あめ作りを指南。白老ポニー愛好会(佐々木政治会長)による乗馬体験、ドローンの実演と空撮映像上映も行った。
デビューした館内ガイドは白老東高2年の山本麻埜さん(16)と小澤清陽さん(16)、白老小5年の井澤乃愛さん(10)。3人は昨年末に同資料館友の会の準会員に登録。その後は月2回ペースで同資料館に通い、展示史料や町の歴史について学び、解説の練習を重ねてきた。それぞれ十数人を率い、史料解説をしたり郷土に関するクイズを出題して来館者とやりとりしたりした。
解説後、山本さんは「目標だった大きな声で解説ができた」、小澤さんは「練習成果を発揮できたのでは」と話し、手応えを感じたよう。井澤さんは「お客さまに目を向けてお話しできた」と笑顔を見せた。町陣屋町に住む井澤さんの祖父井澤寛さん(81)は孫の成長に感激し、親子4人でガイドを聞いた札幌市の会社員、藤井俊光さん(48)は「子どもと思えない案内で、分かりやすかった」と感心していた。
同資料館友の会の川西政幸会長(80)は「まだまだ成長する余地があり、きょうから正会員として私たちと共に頑張ってもらいたい」とエール。武永真館長(61)も「陣屋の歴史を伝える頼もしい仲間が増えた」と目を細めた。白老東高3年の高校生ガイド、堀部京華さん(17)は「後輩のガイドに教えられることもあり、自分ももっと進歩しなければ」と謙虚に語った。