政治はその国で選ばれた政治家が決めているように見えますが、この国の政界の裏金問題が表に出たことで、重要な政策は、多くの資金を持ち国民の声より大きな力を持つ出資者の目的や利権に従うよう決められているように思えました。
それは現代の戦争も同じで、よく調べると決して2国間だけの争いではないといえます。ウクライナとロシアの人々はこの2年、兵士として戦場へ送られました。ロシアからドイツへ安価なガスを供給するパイプラインが破壊され、欧州の国々で光熱費が高騰しました。多くの人が冬の寒さに備えてまきストーブとまきを購入したので、売り切れ状態だとニュースになりました。そんな状況の中、今度はロシアに代わり欧州にガスを供給する地盤を固めた国が新たに現れました。双方の国を争わせるようにしようと出資してきた存在は、どこにもなかったでしょうか。
戦争が起きると私たちは、どちらかの国民が被害者で加害者と思いますが、実際はみんな被害者です。一般の人々は戦争なんて望んでいないのですから。では、出資者や権力者が悪いかというと…私はそうも思いません。立場が違えば、おそらく私も同じことをやっているからです。
私も、同じ地球で暮らしている立場の弱い生きものたちの生きる権利まで考えず、日々、食事として頂くことへの感謝の思いもどこか忘れています。それを逆の立場から見ると、自分の在り方は見事に、今の権力者と重なりました。世の中の問題は、自分の問題でもあると思いました。
(いぶり勧学館館長・苫小牧)