栃木県那須町の河川敷で会社役員夫妻の遺体が見つかった事件で、遺体処理の指示役の一人とみられる職業不詳佐々木光容疑者(28)=死体損壊容疑で逮捕=が「4月初旬にある人物から処理を頼まれた」と供述していることが1日、捜査関係者への取材で分かった。
「当初は人を脅すことだと思っていた」とも話しており、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は事件が計画された経緯を詳しく調べている。
捜査関係者によると、佐々木容疑者は「4月初旬にある人物から『処理してほしい』と頼まれた。最初は脅すことだと思っていたが、徐々に死体を処理する話になった」と供述。建設業平山綾拳容疑者(25)=同容疑で逮捕=に持ち掛けたところ、同容疑者が引き受けたという趣旨の話もしている。「ある人物」については面識もなく、「名前やあだ名も知らない」と話しているという。
平山容疑者は4月13~14日、事件に使われたとみられるガソリンや結束バンドなどを購入した。15日には東京都品川区内で、実行役とみられるいずれも職業不詳の姜光紀(20)、若山耀人(20)両容疑者=同=に自身のセダンを貸した。
姜、若山両容疑者はセダンで同区内の空き家に向かい、16日午前0時ごろ、宝島龍太郎さん(55)と幸子さん(56)夫妻に接触した。空き家やセダンからは血痕が見つかっており、夫妻は暴行されるなどした上、セダンで那須町まで運ばれたとみられ、16日朝に遺体で見つかった。
これまでに逮捕された4人は現時点で、遺棄現場周辺の土地勘や夫妻との接点が確認されておらず、捜査本部は他にも指示役がいるとみて調べている。