栃木県那須町の河川敷で会社役員宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)の遺体が見つかった事件で、指示役とみられる職業不詳佐々木光容疑者(28)=死体損壊容疑で逮捕=が那覇空港(那覇市)で身柄を確保された際、福岡県行きの航空券を所持していたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁と栃木県警の合同捜査本部は同日、佐々木容疑者を送検。少なくとも数日間、沖縄県内に潜伏していたとみて、詳しい足取りを調べている。
捜査関係者によると、佐々木容疑者は遺体が発見された16日の未明、東京都品川区内の居酒屋で建設業平山綾拳容疑者(25)=同容疑で逮捕=と接触し、一緒に店を出る姿が確認された。
その後、佐々木容疑者が少なくとも数日間、沖縄県内に潜伏していたとみられることが判明。捜査員が警戒に当たっていたところ、28日昼すぎに那覇空港に現れたため、身柄を確保した。
佐々木容疑者は黒色のスエット姿で、同日午後に福岡空港に向かう航空券を所持しており、さらに逃亡を続けようとしていた可能性がある。
平山容疑者は13~14日にかけ、ガソリンや粘着テープなどを購入。15日夜に飲み仲間2人に自身名義のセダンを貸した。
これについて同容疑者は「ある人物から遺体処理を指示され、飲み仲間2人に頼んだ」と供述。「事件後に千数百万円の報酬をもらい、2人に分配した」「指示役と居酒屋で会った」とも説明している。
飲み仲間2人は16日午前0時ごろ、セダンで品川区内の空き家を訪れ、宝島さん夫妻と接触したとされる。空き家やセダンからは血痕が見つかっており、捜査本部は夫妻が空き家で暴行されるなどした上で、那須町に運ばれたとみている。