白老東高校1年B組の「公共」の授業で、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使った静内農業高校(赤穂悦生校長)1年生との討議が25日に行われた。生徒29人は離れたまちの同学年の生徒と「大人」をテーマに活発に意見を交わした。
「公共」は、2022年4月に高校の公民科に加わった新科目。考察力や判断力を身に付けることなどを目標とし、討議や対話を重視している。
静内農高との遠隔授業は、担任の柚原航太教諭(27)が前任地の函館で交流した教育関係者が静内農高にいる縁で実現した。通信での遠隔授業は同校では初めて。
両校の生徒は「大人と子どもの違い」「大人になる条件」のテーマで討議。大人の定義について「当たり前のことを当たり前にする」「思いやりがある」「自立している」といった意見が出た。
白老東高の生徒が「思いやりとは何だと思いますか」と質問して「教科書を忘れた時に見せたりする心」と返答をもらったり、逆に静内農業高の生徒が「当たり前とは」と質問して「法を守ること」と答える場面があった。主体性を持って意見を言える自分について、意見交換も行った。
学級委員長の横田龍心さん(15)は「知らない人の違う意見に耳を傾けると新たな発見がある。今後もこうした授業で視野を広げていきたい」と語った。
同校では生徒が地域に出て主体的に学ぶ活動を進めており、大木康弘校長は「今後、ICT(情報通信技術)を活用し、地域の皆さまとの交流もできたら」と意欲を示す。柚原教諭は「自分の意見をしっかり発信できる生徒を育んでいきたい」と話した。