自民党安倍派の裏金事件を巡り、月刊誌「文芸春秋」電子版は26日、森喜朗元首相のインタビューを報じた。自身の関与について「いつ誰が始めたのか、分からない」と否定。岸田文雄首相による電話聴取で、裏金事件に関するやりとりがなかったことも明らかにした。
政治資金パーティー収入のキックバック(還流)に関し、森氏は「報道で初めて(知った)」と主張。「意図的ではない悪習が常習となり、人から人へ伝わったのではないか」との見方を示した。
首相の聴取については、体調などを問われたと説明。「私にやむを得ず電話をかけ、それで済んだ、という形をつくろうとしたのだと思う」と述べた。
一方、派内の責任問題では、有力議員「5人衆」の提案を受けて1月、自身の事務所に同派座長だった塩谷立元総務会長を呼び、「議員辞職して次を狙ったらどうか」と説得したと明かした。ただ、塩谷氏は「なんで私一人が貧乏くじを引かねばならないのか。絶対に承服できない」と拒否したという。