白老町若草町の民族共生象徴空間(ウポポイ)は27日~5月6日、ゴールデンウイーク(GW)イベントとして、アイヌ語を聞き、想像し、話す体験型プログラム「イタク トマリ」を体験学習館別館3で実施する。期間中、アイヌ語に関するイベントも敷地内の各所で繰り広げる。
「イタク トマリ」はアイヌ語で言葉の港の意味。会場には特定のエリアに音を届ける指向性スピーカーやマイク、モニターを設置する。
スピーカーでは18種類のアイヌ語のあいさつや感謝の言葉をランダムに流し、異国の港に降り立った旅人が、周囲から聞き慣れない言語を聞く状況を演出する。
モニターの前に立つと聞き取りやすくなり、「どんな意味かな」と想像したり、調べたりしたくなる。モニターは2~4分の映像コンテンツを10種類映しだすことができ、星を意味するチュプと舟の意味のチプ、魚の意味のチェプなど、似ていても意味の違う言葉を紹介する作品や道内各地のアイヌ語方言のあいさつをまとめた作品を見ることができる。
会場で最も大きい300インチのモニター前には三つのマイクを置き、モニターに映し出された言葉をマイクを通して発すると、さまざまな映像の変化や反応が楽しめる。会場を出て、体験したアイヌ語を館内のスタッフに伝えると、関連するスポットや体験コーナーが案内される。
プログラムを担当する白老町出身の山丸賢雄さん(29)は「これまではコロナ禍によりコミュニケーションに関する取り組みを自粛してきたが、ようやく実現できた」と納得の表情。同空間運営本部の野本正博副本部長(60)も「文化を導くのは言葉。言葉を深掘りし、来館者が自由に受け取り、考えることができる内容にできた」と力を込めた。
会場は10分程度で巡ることができる。午前9時~午後7時。期間中は敷地内の各所でアイヌ語のカードを使った学習や解説を行う。詳細は公式ホームページhttps://ainu―upopoy.jp/